法務デューデリジェンスとは?目的・確認事項・進め方【初心者向け】
「法務デューデリジェンスって何だろう?」「M&Aに興味があるけど、具体的なプロセスがよくわからない...」そんな疑問をお持ちではありませんか? 法務デューデリジェンスは、M&Aや企業買収において、投資判断の材料となる重要な調査です。本記事では、法務デューデリジェンスの目的や確認事項、進め方を初心者の方にもわかりやすく解説します。この記事を読めば、法務デューデリジェンスの大枠を掴むことができ、安心して企業買収のプロセスに臨めるようになります。
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編集者の紹介
株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月のPMIにて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。
- 目次
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1. 法務デューデリジェンスとは?
1.1 なぜ法務デューデリジェンスが必要なのか?
1.2 法務デューデリジェンスの流れ
2. 法務デューデリジェンスの目的
2.1 デューデリジェンスの位置付け
2.2 法務デューデリジェンスで達成できること
3. 法務デューデリジェンスの確認項目
3.1 契約関係の確認
3.2 労務関係の確認
3.3 知的財産の確認
3.4 訴訟リスクの確認
3.5 許認可の確認
4. 法務デューデリジェンスの進め方
4.1 準備段階
4.2 調査の実施
4.3 報告書作成
5. 法務デューデリジェンスの注意点
5.1 必ず専門家を活用しよう
5.2 時間的制約がある事を理解する
5.3 全てのリスク確認ができるわけではない
5.4 デューデリジェンスの結果は、あくまでも参考情報であることを理解する
5.5 情報管理の徹底
6. まとめ
1. 法務デューデリジェンスとは?
法務デューデリジェンスとは、M&Aや企業提携、不動産取引など、企業や事業に関わる重要な取引を行う際に、対象会社のリスクや法的問題点を洗い出す調査のことです。弁護士などの法律の専門家が、対象会社の契約書や登記簿、従業員に関する書類などを精査し、潜在的な法的リスクを明らかにします。
1.1 なぜ法務デューデリジェンスが必要なのか?
企業活動において、想定外の法的問題が発生すると、取引の遅延や訴訟リスク、経済的損失など、大きな影響が生じる可能性があります。法務デューデリジェンスを実施することで、事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることが可能になります。これにより、取引の安全性を高め、将来的なトラブルを未然に防ぐことが期待できます。
1.1.1 法務デューデリジェンスで具体的にわかること
契約上のリスク | 契約内容の不備や債務不履行の可能性など |
---|---|
労務問題のリスク | 違法な労働条件や未払い残業代など |
知的財産のリスク | 特許権や商標権などの侵害の可能性など |
訴訟リスク | 係争中の訴訟や潜在的な訴訟の可能性など |
許認可のリスク | 必要な許認可の取得状況や法令違反の可能性など |
これらのリスクを事前に把握することで、取引条件の見直しやリスクヘッジ策を検討することができます。例えば、契約内容に問題があれば修正を要求したり、潜在的な訴訟リスクがある場合は、保証条項を設けるなどの対策を検討します。
1.2 法務デューデリジェンスの流れ
法務デューデリジェンスは、一般的に以下の流れで実施されます。
段階 | 内容 |
---|---|
準備段階 | 調査範囲やスケジュール、費用などを決定し、対象会社との間で秘密保持契約を締結します。 |
調査の実施 | 対象会社から資料を提出してもらい、内容を精査します。必要に応じて、ヒアリングや現地調査を行うこともあります。 |
報告書作成 | 調査結果に基づき、リスクや問題点、対応策などをまとめた報告書を作成します。 |
法務デューデリジェンスは、取引を成功させるための重要なプロセスです。専門家のサポートを得ながら、適切なデューデリジェンスを実施することで、リスクを最小限に抑え、安全な取引を実現しましょう。
2. 法務デューデリジェンスの目的
法務デューデリジェンスは、M&Aや企業提携、不動産取引など、企業活動における重要な意思決定を行う際に、対象企業や事業に潜む法的リスクを洗い出し、その影響を評価することで、取引の安全性や事業の継続性を確保することを目的としています。
2.1 デューデリジェンスの位置付け
デューデリジェンスは、大きく分けて財務デューデリジェンス、事業デューデリジェンス、法務デューデリジェンスの3つに分類されます。それぞれの専門家がそれぞれの観点から調査を行い、最終的な投資判断材料を提供します。
デューデリジェンスの種類 | 調査内容 |
---|---|
財務デューデリジェンス | 対象会社の財務状況や収益力などを分析し、投資価値やリスクを評価する |
事業デューデリジェンス | 対象会社の事業内容や市場環境、競争優位性などを分析し、将来性を評価する |
法務デューデリジェンス | 対象会社の法的リスクを洗い出し、その影響を評価する |
法務デューデリジェンスは、これらのデューデリジェンスと相互に関連しており、例えば、
財務デューデリジェンスで発見された不透明な取引が、法務デューデリジェンスによって違法な行為であると判明する | |
事業デューデリジェンスで期待される新製品の開発が、法務デューデリジェンスによって特許権侵害のリスクが判明する |
といったケースも考えられます。このように、法務デューデリジェンスは、他のデューデリジェンスと連携することで、より精度の高いリスク評価を実現し、投資判断の精度向上に貢献します。
2.2 法務デューデリジェンスで達成できること
法務デューデリジェンスを実施することで、以下のような効果が期待できます。
潜在的な法的リスクの発見と評価 | |
取引条件の交渉材料の獲得 | |
リスクヘッジ策の検討 | |
取引後の紛争防止 | |
企業価値や事業価値の適正な評価 |
法務デューデリジェンスを通じて得られた情報は、取引価格の決定や契約内容の交渉、さらには、取引後の統合プロセスにおけるリスク管理にも活用されます。
3. 法務デューデリジェンスの確認項目
法務デューデリジェンスでは、企業活動のあらゆる側面について、法的な観点から調査・分析を行います。具体的な確認項目としては、下記のようなものが挙げられます。
3.1 契約関係の確認
企業活動において、契約は非常に重要な役割を果たします。そのため、法務デューデリジェンスでは、対象会社が締結している様々な契約について、内容や有効性、リスクなどを精査します。具体的には、以下の様な契約が調査対象となります。
3.1.1 売買契約
商品やサービスの売買に関する契約は、企業活動の根幹をなすものです。契約書の内容が、対象会社のビジネスモデルや収益構造に与える影響などを確認します。また、売買契約に付随する保証条項や解除条項なども重要な確認ポイントとなります。
3.1.2 業務委託契約
業務委託契約は、外部に業務を委託する際に締結されます。委託内容が明確に定められているか、責任の所在が明確になっているか、秘密保持義務が適切に規定されているかなどを確認します。特に、個人情報や機密情報を取り扱う業務委託契約では、法令遵守の観点からも慎重な確認が必要です。
3.1.3 ライセンス契約
ソフトウェアや特許などの知的財産権を使用許諾する契約では、使用範囲や対価、契約期間などが適切に定められているかをチェックします。また、契約違反があった場合のペナルティ条項なども重要な確認事項となります。
3.1.4 秘密保持契約
取引先や従業員との間で締結される秘密保持契約では、秘密情報の定義や範囲、秘密保持義務の内容、違反時のペナルティなどが適切に規定されているかを確認します。特に、近年は情報漏えいリスクが高まっているため、秘密保持契約の重要性はますます高まっています。
3.1.5 金融機関との契約
融資契約や保証契約など、金融機関との契約は、企業の資金調達や財務状況に大きな影響を与えます。契約内容が、対象会社の財務状況や資金繰りに与える影響などを確認します。また、契約違反による融資の停止や保証債務の履行請求などのリスクについても検討する必要があります。
3.2 労務関係の確認
従業員に関する問題は、企業にとって大きなリスクとなります。そのため、法務デューデリジェンスでは、労働契約や就業規則などの労務関係書類を精査し、法令遵守の状況や潜在的なリスクを洗い出します。
3.2.1 労働契約
労働契約は、労働条件の根幹を定めるものです。労働時間や賃金、休日などの労働条件が、労働基準法などの法令に違反していないかを確認します。また、残業時間や有給休暇の取得状況などから、労務管理の実態についても把握します。
3.2.2 就業規則
就業規則は、会社の服務規律や賃金、労働時間などに関するルールを定めたものです。就業規則の内容が、労働基準法などの法令に違反していないかを確認します。また、就業規則の作成・変更手続きが適切に行われているかどうかも重要な確認ポイントとなります。
3.2.3 ハラスメント対策
近年、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントなどのハラスメント問題が深刻化しています。ハラスメントに関する相談窓口の設置状況や、ハラスメント防止研修の実施状況などを確認し、対象会社におけるハラスメント対策の実効性を評価します。
3.3 知的財産の確認
企業にとって、特許権や商標権などの知的財産は重要な資産です。法務デューデリジェンスでは、対象会社が保有する知的財産の権利関係を調査し、その有効性や活用状況、リスクなどを評価します。
3.3.1 特許権
対象会社が保有する特許権について、権利の有効性や範囲、侵害リスクなどを調査します。また、特許権の活用状況や、ライセンス契約などの状況についても確認します。
3.3.2 商標権
対象会社が使用している商標について、権利の有効性や範囲、侵害リスクなどを調査します。また、商標権の活用状況や、ライセンス契約などの状況についても確認します。
3.3.3 著作権
対象会社が創作したソフトウェアやデザインなどの著作物について、権利の帰属や保護状況、侵害リスクなどを調査します。また、著作物の利用許諾契約などの状況についても確認します。
3.4 訴訟リスクの確認
対象会社が現在抱えている、または将来発生する可能性のある訴訟リスクを調査します。過去の訴訟履歴や、現在係争中の訴訟、潜在的な紛争などを洗い出し、その内容や影響度合いを評価します。
3.4.1 過去の訴訟
過去の訴訟履歴を調査することで、対象会社の法令遵守意識やリスク管理体制を把握することができます。また、同様の訴訟が繰り返されている場合は、根本的な問題点の解決が必要となる可能性があります。
3.4.2 係争中の訴訟
現在係争中の訴訟については、訴訟の内容や請求金額、勝訴の見込みなどを確認します。訴訟の結果によっては、対象会社の財務状況や事業活動に大きな影響を与える可能性があります。
3.4.3 潜在的な紛争
顧客や取引先とのトラブルや、従業員との労務問題など、将来的に訴訟に発展する可能性のある潜在的な紛争についても調査します。潜在的な紛争を早期に発見し、適切な対策を講じることで、訴訟リスクを抑制することができます。
3.5 許認可の確認
対象会社の事業内容によっては、事業を行うために必要な許認可を取得している必要があります。法務デューデリジェンスでは、対象会社が必要な許認可を取得しているか、また、その許認可が有効であるかを調査します。
業種 | 主な許認可 |
---|---|
飲食店 | 飲食店営業許可 |
建設業 | 建設業許可 |
金融業 | 銀行業免許、保険業免許、証券業免許など |
これらの確認項目はあくまでも一般的なものであり、実際の法務デューデリジェンスでは、対象会社の事業内容や規模、取引の状況などに応じて、確認項目を追加したり、重点的に調査する項目を絞り込んだりします。
4. 法務デューデリジェンスの進め方
法務デューデリジェンスは、一般的に以下の3つの段階を経て進められます。
4.1 準備段階
準備段階では、デューデリジェンスの目的や対象範囲、スケジュールなどを明確にします。具体的には、以下の作業を行います。
4.1.1 デューデリジェンスの目的・対象範囲の決定
依頼者との協議を通じて、デューデリジェンスの目的や対象範囲を明確にします。例えば、M&Aが目的であれば、買収後の法的リスクを最小限に抑えるために、対象会社の契約内容や訴訟リスクなどを重点的に調査します。また、対象範囲としては、法務部門だけでなく、経理部門や人事部門など、関連する部門とも連携して調査項目を決定します。
4.1.2 デューデリジェンスチームの編成
弁護士、公認会計士、司法書士など、専門知識を持ったメンバーでデューデリジェンスチームを編成します。チームメンバーの専門分野や経験に応じて、役割分担を明確にすることが重要です。
4.1.3 調査項目リストの作成
対象範囲に基づき、調査項目リストを作成します。調査項目リストは、後々の調査の指針となる重要な資料です。可能な限り詳細に、具体的な項目を列挙することが重要です。
4.1.4 資料の収集依頼
対象会社に対して、調査に必要な資料の提出を依頼します。資料は、契約書、定款、登記簿謄本、財務諸表など多岐にわたります。事前に必要な資料をリストアップし、対象会社にスムーズな資料提出を促すことが重要です。
4.2 調査の実施
準備段階で作成した調査項目リストに基づき、対象会社の資料を精査し、ヒアリングを実施します。具体的には、以下の作業を行います。
4.2.1 資料の精査
収集した資料を精査し、問題点やリスクの有無を分析します。契約書の条項解釈、法令違反の有無、訴訟リスクの評価など、専門知識を用いて綿密に調査を行います。
4.2.2 関係者へのヒアリング
必要に応じて、対象会社の経営陣や従業員へのヒアリングを実施します。資料だけではわからない、会社の状況や実態を把握するために、ヒアリングは有効な手段となります。ただし、ヒアリングの内容によっては、対象会社の機密情報に関わる場合もあるため、事前に守秘義務契約を締結するなど、注意が必要です。
4.2.3 追加調査の検討
調査の過程で、新たな問題点やリスクが発見された場合は、追加調査が必要となることがあります。追加調査が必要な場合は、依頼者と協議の上、調査範囲やスケジュールを調整します。
4.3 報告書作成
調査結果に基づき、報告書を作成します。報告書には、以下の内容を記載します。
4.3.1 調査結果の概要
調査対象会社全体の法務リスクのレベルを、例えば、「高」、「中」、「低」の3段階で評価し、その理由を簡潔に記載します。また、調査の結果、判明した主要なリスクや問題点を要約して記述します。リスクや問題点の記述にあたっては、具体的な根拠となる契約書名や法令名を明記するなど、説得力のある説明を心がけます。
4.3.2 調査結果の詳細
調査項目ごとに、調査結果の詳細を記載します。契約関係、労務関係、知的財産など、項目ごとに章立てし、それぞれの項目におけるリスクや問題点を具体的に記述します。リスクや問題点に対して、どのような対応策を講じればよいか、具体的な提案を添えることも重要です。例えば、契約書の修正が必要な場合は、修正条項の具体例を示したり、法令違反の可能性がある場合は、是正に向けた具体的な行動計画を提示したりします。
4.3.3 結論・提言
調査結果を踏まえ、M&Aを実行するか否か、実行する場合の条件などを提言します。提言は、依頼者が最終的な意思決定を行う上で重要な判断材料となります。そのため、調査結果を客観的に分析し、法的観点から適切な提言を行うことが求められます。例えば、M&Aを実行する場合、リスクを回避するために、対象会社に事前に是正を要求すべき事項や、契約書に盛り込むべき条項などを具体的に提示します。また、リスクがあまりにも大きく、M&Aを実行することが困難な場合は、その旨を明確に伝え、代替案を提示することも重要です。
法務デューデリジェンスは、M&Aなどの重要な取引において、リスクを事前に把握し、適切な意思決定を行うために不可欠なプロセスです。専門家の協力を得ながら、適切な手順で進めることが重要です。
5. 法務デューデリジェンスの注意点
法務デューデリジェンスは、M&Aや企業提携などを成功させる上で非常に重要ですが、注意点もいくつか存在します。注意点を押さえずにデューデリジェンスを進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
5.1 必ず専門家を活用しよう
法務デューデリジェンスは、専門知識を持った弁護士や会計士などの専門家に依頼するのが一般的です。専門家は、法務、財務、税務など、様々な分野に関する知識や経験が豊富であり、潜在的なリスクを洗い出すための調査を的確に行うことができます。また、問題点に対して、法的根拠に基づいた適切なアドバイスを受けることも可能です。
自社内で法務デューデリジェンスを行う場合、時間やコストの削減になるというメリットはありますが、専門知識の不足により、重要なリスクを見落としてしまう可能性があります。法務デューデリジェンスの結果は、その後の交渉や契約内容に大きな影響を与えるため、専門家へ依頼することで、より安全かつスムーズに取引を進めることができます。
5.2 時間的制約がある事を理解する
法務デューデリジェンスは、限られた期間内で行う必要がある場合がほとんどです。そのため、事前に調査範囲やスケジュールを明確にしておくことが重要となります。短期間で膨大な量の資料を調査しなければならないケースもあるため、効率的な調査計画を立て、必要な情報を迅速に収集できるように準備しておく必要があります。時間的な制約があることを理解した上で、専門家と協力し、可能な範囲で最大限の効果が得られるよう、調査を進めることが大切です。
5.3 全てのリスク確認ができるわけではない
法務デューデリジェンスは、対象会社の潜在的なリスクを洗い出す効果的な手段ですが、すべてのリスクを完全に発見できるわけではありません。隠蔽された情報や、調査範囲外の情報については、発見が難しい場合もあります。また、法務デューデリジェンスは、過去の情報に基づいて行われるため、将来発生するリスクを予測することはできません。法務デューデリジェンスの結果だけで判断するのではなく、将来のリスク発生の可能性も考慮し、総合的な判断を行う必要があります。
5.4 デューデリジェンスの結果は、あくまでも参考情報であることを理解する
法務デューデリジェンスの結果は、あくまでも参考情報であり、最終的な投資判断は、経営判断に基づいて行われる必要があります。デューデリジェンスの結果のみで判断を下すのではなく、市場環境や競合状況、将来の見通しなども考慮し、総合的に判断することが重要です。
5.5 情報管理の徹底
法務デューデリジェンスでは、対象会社の機密情報を取り扱うため、情報管理を徹底する必要があります。情報漏洩は、対象会社に多大な損害を与える可能性があり、自社の信用にも影響する可能性があります。秘密保持契約を締結する、アクセス権限を設定するなど、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
項目 | 詳細 |
---|---|
専門家の活用 | 弁護士や会計士などの専門家に依頼することで、専門知識や経験に基づいた調査・アドバイスを受けることが可能 |
時間的制約 | 調査範囲やスケジュールを事前に明確化し、効率的な調査計画を立てることが重要 |
リスクの限界 | 全てのリスクを発見できるわけではなく、隠蔽情報や調査範囲外の情報、将来発生するリスクなどは発見が難しい場合もある |
参考情報としての位置付け | デューデリジェンスの結果は参考情報であり、最終的な投資判断は経営判断に基づいて行う必要がある |
情報管理 | 対象会社の機密情報を取り扱うため、秘密保持契約の締結やアクセス権限の設定など、情報管理を徹底する必要がある |
これらの注意点を踏まえ、法務デューデリジェンスを適切に行うことで、M&Aや企業提携などを成功に導くことができます。
6. まとめ
法務デューデリジェンスは、M&Aや企業投資において、投資対象会社のリスクを事前に把握し、適切な買収価格や契約条件を決定するために非常に重要なプロセスです。時間的制約がある中で、限られた情報から潜在的なリスクを洗い出す必要があるため、弁護士等の専門家の知見を借りながら、効率的かつ効果的に調査を進めることが重要です。